やさしいヒーロー
今週のお題「給食」
確か小学3年くらいの時のある日の給食当番の日。
私はご飯をよそう係でした。ご飯は平らな皿に盛るのですが、量の加減が難しく私はご飯係が大嫌いでした。
その日はみんなが大好きな混ぜご飯。まあ、みんな沢山食べたいわけです。もうちょっとほしいって声に逆らえず最初から気持ち多めにもってしまいました。
そして…
案の定足りなくなってしまいました。
ちょうど1人分…
私が我慢すればいい…
そう考えた時、不意に私のトレイにご飯が盛られた皿がどんっと置かれました。
!?
横を向くとクラスのあるちょっとぽっちゃりの男子が一言
『やるっ!』
と言って自分の席へ去って行きました。返そうと追いかけたら
『今日はオレいらないからっ!』
と一言。
いいよ、私が悪いんだからとさらに返そうとしたら、にかっと笑って
『いいよ、オレ今日はダイエットするから』
と言われました。きっと私が受け取りやすいように無理して言ったんでしょう。彼も大好物のはずです。
この子はよくおかわりするほど給食の時間が大好きな子でした。
受け取った優しさに泣きながら食べたご飯はとても美味しかったです。
この歳になっても思い出が色あせないで焼きついています。
子供の頃の私のヒーローです!